綴箱
書き手のためのガイド / 新人賞とAI

電撃小説大賞で生成AIは使っていい? OK・NGの線引きと申告の書き方【第34回】

「AIで誤字チェックをしただけでも、ズルだと思われる?」「プロットの相談にAIを使ったら、申告が必要?」——第33回から、電撃小説大賞の応募要項に生成AIの規定が加わりました。第34回(締切 2027年4月10日)の規定を、書き手の目線で整理します。

2026年10月10日 確認・公開(第34回の募集要項にもとづく)

この記事は、2026年10月10日時点の募集要項を、執筆アプリ「綴箱(つづりばこ)」の運営者が読んでまとめたものです。正式な判断は主催者が行います。応募する前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。

・電撃小説大賞 応募要項: https://dengekitaisho.jp/novel/apply.html
・よくある質問: https://dengekitaisho.jp/novel/question.html

結論:補助ならOK、本文と構成の主要部分はNG。使ったら申告する

規定の要点は3つです。

  1. 使ってよいのは「誤字脱字のチェック」「表現の整え」「アイデア出し(ブレインストーミング)」など、創作を支援する補助的な範囲
  2. 作品本文の執筆や、構成の主要部分をAIが生成した場合は、審査の対象外
  3. 執筆の途中で生成AIを使ったら、使ったツールと目的を書いて申告する

つまり、AIを使ったこと自体が不利になるわけではありません。規定の範囲で使い、正直に申告することが大切です。いちばん避けたいのは、使ったのに申告しないことです。

規定のポイント(要項より)

利用範囲「誤字脱字のチェック」「表現の整え」「アイデア出し」など補助的な範囲に限る。本文の執筆や構成の主要部分をAIが生成した場合は対象外
申告Web応募は作品本文の一番最後に、カクヨム応募は作品説明に、利用ツールと利用目的(例:誤字修正、アイデア整理など)を簡潔に書く
著作物性著作物として法的に認めるのが難しい使い方と判断された場合は、審査の対象外
制作過程の開示必要に応じて、使ったツール名・指示(プロンプト)・生成された内容・その使い方の開示を求められることがある。いつでも出せるよう記録を残しておく
利用規約使うAIツールの利用規約やルールを確かめて守る

この使い方はOK? 具体例で整理

以下は、規定の文面から私たちが読み取った目安です。迷うときは主催者に問い合わせてください。

OKの範囲(申告は必要)

  • 書いた文章の誤字脱字をAIにチェックしてもらう
  • ぎこちない言い回しを指摘してもらい、自分で書き直す
  • アイデアの壁打ち(「この設定で面白くなる要素は?」と相談する)
  • 登場人物・用語の一覧づくりや、設定の矛盾チェックなど、自分の原稿の整理
  • 書いた原稿の感想をもらい、直すかどうかは自分で決める

気をつけたい

  • AIにプロットを出してもらう:ネタ出しの参考にするのは「アイデア出し」の範囲ですが、AIが出した筋書きをほぼそのまま使うと「構成の主要部分をAIが生成」にあたるおそれがあります。話の筋は自分で決めましょう
  • AIに文章を直してもらう:誤りの指摘を受けて自分で直すのは補助ですが、段落ごと書き換えさせて採用するのは「本文の執筆」に近づきます

NG

  • 本文をAIに書かせる(AIの下書きを手直しする場合も含めて注意)
  • 物語の構成の主要部分をAIに作らせる

申告はいらないと考えられるもの

  • 縦書きで見え方を確かめる、文字数や枚数を数える、原稿をPDFにするなど、生成AIを使わない道具

申告の書き方(例文)

Web応募なら本文の一番最後に、カクヨム応募なら作品説明に書きます。「何に使ったか」と「本文は自分で書いたこと」がわかるように、短く書けば十分です。「○○」には使ったツールの名前を入れてください。

例1:誤字チェックだけ生成AIの利用:誤字脱字の確認に○○を使用しました。本文・構成はすべて自分で執筆しています。
例2:アイデア出しと整理生成AIの利用:○○をアイデアの壁打ち、登場人物・用語の整理、設定の矛盾チェックに使用しました。本文・構成はすべて自分で執筆しています。
例3:感想をもらった生成AIの利用:○○で原稿への感想を受け取り、推敲の参考にしました。修正はすべて自分で行っています。

また、開示を求められたときのために、「いつ、どのツールに、何を頼み、どう使ったか」をメモやスクリーンショットで残しておきましょう。

なろう・カクヨムに載せている作品は?

電撃小説大賞はカクヨムからも応募できます。ほかの投稿サイトに載せている作品も応募できますが、扱いが違います。

  • カクヨム以外のサイト(小説家になろうなど)に載せている作品は、応募期間中、掲載をやめるか非公開にする必要があります
  • ほかのコンテストと同時に応募すること(二重投稿)や、ほかのコンテストで入賞した作品の応募はできません

投稿サイトにも、それぞれAI利用のルールがあります。

小説家になろう作品ごとに「AI直接使用/AI間接利用/AI補助的利用/AI不使用」の4つから選ぶのが必須。アイデア出しや誤字脱字チェックは「AI補助的利用」にあたり、第三者には表示されません。
公式のガイドライン
カクヨムAIの使い方に応じて「AI本文利用」「AI本文一部利用」「AI補助利用」のタグを付けるよう呼びかけています。コンテストに応募する作品は、当てはまる場合は必ずタグを付けます。
公式のお知らせ

カクヨムから電撃小説大賞に応募するときは、タグ(カクヨムのルール)と作品説明での申告(電撃小説大賞のルール)の両方を忘れないようにしましょう。

応募原稿の形式も確認

Web応募の長編は、1ページ 42字×34行で 80〜130ページです(短編は 15〜30ページ)。ファイルは txt、Word、一太郎、PDF などで送れます。カクヨムから応募する場合は、長編 10〜15万字で完結していることが条件です。

書いた原稿が何ページになるかは、無料の縦書き原稿 PDF 作成で確かめられます。形式で「応募原稿(詰め)42字×34行」を選ぶと全体のページ数が表示され、そのまま PDF にできます。登録は不要で、文章は外へ送られません。