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書き手のためのガイド / 新人賞とAI

カクヨムコン12で生成AIは使っていい? 3つのAIタグの選び方と「選考対象外」を避ける注意点

「AIに誤字チェックをさせただけでも、タグは必要?」「プロットの相談に使ったら、どのタグ?」——カクヨムコンテスト12(応募受付 2026年12月1日〜2027年2月1日)では、生成AIを使った作品に、使い方に合ったタグを付けることが求められています。応募要項の規定を、書き手の目線で整理します。

2026年10月28日 確認・公開(カクヨムコンテスト12の応募要項にもとづく)

この記事は、2026年10月28日時点の応募要項とガイドラインを、執筆アプリ「綴箱(つづりばこ)」の運営者が読んでまとめたものです。正式な判断は主催者が行います。応募する前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。

・カクヨムコンテスト12 応募要項: https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_contest_12/detail
・カクヨムコンテスト12【短編】応募要項: https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_contest_short_12/detail
・カクヨム ガイドライン(生成AIの利用について): https://kakuyomu.jp/legal/guideline

結論:使ってもよい。ただし、実際の使い方に合ったタグを付ける

規定の要点は3つです。

  1. 生成AIを使うこと自体は禁止されていません。使った作品には、使い方に応じて「AI本文利用」「AI本文一部利用」「AI補助利用」のどれかのタグを付けます
  2. タグと実際の使い方が違う場合は、選考対象外になります
  3. どのタグに当たるかの問い合わせには、カクヨムは答えないとしています。自分で判断する必要があります

つまり、AIを使ったかどうかよりも、使ったことを正直にタグで示しているかが問われます。いちばん避けたいのは、使ったのにタグを付けないこと、実際より軽いタグを付けることです。

3つのAIタグの違い(ガイドラインより)

AI本文利用本文の大半(目安50%以上)が生成AIによって生成された文章。または、その文章に作者が軽微な修正を加えたもの
AI本文一部利用本文の一部(目安50%未満)が生成AIによって生成された文章。または、その文章に作者が軽微な修正を加えたもの
AI補助利用生成AIのアイデアや資料をもとに、作者自身が本文を書いたもの。または、作者自身が書いた文章の校正を生成AIに行わせるなど、創作の補助として使ったもの
当てはまらないもの検索サービスなど、ふだん使っている道具に付いているAIの補助機能。文書ソフトの自動校正機能を使って書いた作品

分かれ目は、AIが作った文章が本文に入っているかどうかです。入っていれば「本文利用」か「本文一部利用」、入っていなければ「補助利用」になります。「50%」はあくまで目安とされています。

この使い方はどのタグ? 具体例で整理

以下は、ガイドラインの文面から私たちが読み取った目安です。最後は自分の使い方に合わせて選んでください。

「AI補助利用」に当たると考えられるもの

  • アイデアの壁打ち(「この設定で面白くなる要素は?」と相談する)をして、本文は自分で書いた
  • 自分で書いた文章の誤字脱字や言い回しを、生成AIにチェックしてもらった
  • 登場人物・用語の一覧づくりや、設定と本文の食い違いのチェックなど、自分の原稿の整理に使った
  • 書いた原稿の感想を生成AIからもらい、直すかどうかは自分で決めて、自分で直した

「AI本文一部利用」「AI本文利用」に当たると考えられるもの

  • 生成AIに書かせた場面や段落を、そのまま、または少し手直しして本文に入れた(全体の目安50%未満なら「一部利用」、50%以上なら「本文利用」)
  • 生成AIの下書きをもとに、言葉を少し直して仕上げた

迷いやすいもの

  • 生成AIに文章を直してもらった:誤りの指摘を受けて自分で直すのは補助ですが、段落ごと書き換えさせた文章を採用すると「AIが生成した文章」が本文に入ることになり、「本文一部利用」に近づきます
  • 生成AIにプロットを出してもらった:カクヨムのタグは本文の文章を基準にしているため、AIのプロットをもとに自分で本文を書いたなら「補助利用」と考えられます。ただし、ほかの新人賞(電撃小説大賞など)では、構成の主要部分をAIに作らせることを認めていない場合があります

タグがいらないと考えられるもの

  • 縦書きで見え方を確かめる、文字数を数える、原稿を PDF にするなど、生成AIを使わない道具
  • 文書ソフトの自動校正(ガイドラインで「該当しません」と書かれています)

「選考対象外」を避けるために:使ったことを記録しておく

タグを選ぶのは自分で、問い合わせても答えはもらえません。しかも、カクヨムコンテストの長編は10万字以上あり、何か月もかけて書くことがほとんどです。応募するころには「どの場面でAIを使ったか」を思い出せなくなりがちです。

そこで、使った日・使った道具・何に使ったか・本文に入れたかどうかを、その都度メモしておくのがおすすめです。規定で記録が求められているわけではありませんが、タグを選ぶときの根拠になり、あとで聞かれたときにも落ち着いて説明できます。

記録の例11/14 ○○(AIの名前)第3話の誤字チェック。指摘を見て自分で直した(本文には入れていない)
11/20 ○○ 魔法の仕組みのアイデアを相談。本文は自分で書いた
12/02 ○○ 第8話の戦闘の場面の下書きを出してもらい、約1,500字を手直しして使った(本文に入れた)

この例なら、本文に入れた文章があるので「AI本文一部利用」を選ぶことになります(全体の50%未満の場合)。

応募の条件も確認(要項より)

応募受付2026年12月1日(火)正午 〜 2027年2月1日(月)午前11:59
読者選考2026年12月1日(火)正午 〜 2027年2月8日(月)午前11:59。中間選考の発表は2027年3月ごろ、最終選考の発表は5月ごろの予定
長編(カクヨムコンテスト12)応募受付の終了までに本文が10万字以上。受付期間中に完結している必要はない
短編(カクヨムコンテスト12【短編】)本文が400字以上1万字以内で、受付期間中に完結していること。短編小説部門と、エッセイ・評論部門がある
共通カクヨムに会員登録している個人が応募できる。自分で書いたオリジナル作品(一次創作)に限る。カクヨムに公開中の作品も、受付開始後に応募できる。18歳未満は保護者の同意が必要
生成AI使った作品は、使い方に応じたタグを付ける。タグと実際の使い方が違う場合は選考対象外

応募したあとに作品を取り消したり削除したりすると、選考対象外になります。受付期間が終わったあとに直す場合も、作品は公開したままにする必要があります。細かい条件は、必ず公式の応募要項で確かめてください。

10万字を締切までに書くには

長編は、受付の終了(2027年2月1日)までに10万字が必要です。12月1日から書き始めると、1日あたり約1,600字。いま(10月下旬)から始めれば、1日あたり約1,000字です。書きためておいて、受付開始後に応募することもできます。

ほかの新人賞にも出すなら

生成AIの決まりは、賞によって大きく違います。たとえば電撃小説大賞(第34回)は、誤字チェックやアイデア出しなどの補助だけを認め、本文や構成の主要部分をAIが生成した作品は審査の対象外としたうえで、使ったツールと目的の申告を求めています。カクヨムから電撃小説大賞に応募する場合は、カクヨムのタグと電撃小説大賞の申告の両方が必要です。詳しくは「電撃小説大賞で生成AIは使っていい?」にまとめています。

ルビ・傍点の見え方を確かめる

カクヨムでは、|漢字《かんじ》でルビ、《《傍点》》で傍点を付けられます。書き方を間違えると、記号がそのまま表示されてしまいます。無料の縦書きプレビューに本文を貼り付けると、ルビ・傍点が正しく付いているかを縦書きで確かめられます。登録は不要で、文章は外へ送られません。